エアコンの暖房、節約するなら「温度を上げる」より「風量を強く」!
冬の寒さが厳しくなると、エアコンの暖房をつける時間が増え、気になるのが電気代。
少しでも節約したいと考えたとき、「設定温度を3度上げる」と「風量を強くする」では、どちらが節電になるのでしょうか?
実は、エアコンの暖房は温度を上げるよりも、風量を上げる方が圧倒的に省エネになります。なぜなら、エアコンは設定温度に到達するまでに大量の電力を消費するからです。本記事では、暖房の電気代を抑えるための仕組みと具体的な対策を詳しく解説します!
エアコンの電気代は「消費電力」で決まる!
エアコンの電気代は、以下の計算式で求められます。
電気代 = 消費電力(kWh)× 使用時間 × 電気料金単価(円/kWh)
たとえば、標準時の消費電力が440W(0.44kW)のエアコンを使用した場合、電気料金単価を31円/kWhとすると、1時間あたりの電気代は約13.6円になります。
ただし、エアコンは常に一定の消費電力で動いているわけではありません。部屋の温度を設定温度まで上げるまでは最大出力で稼働し、温度が安定すると最小出力に切り替わる仕組みです。
例えば、次のような消費電力の変動があるとします。
動作モード | 消費電力(kW) | 1時間あたりの電気代(円) |
---|---|---|
最小出力運転時 | 0.105kW | 約3.3円 |
標準運転時 | 0.44kW | 約13.6円 |
最大出力運転時 | 1.93kW | 約60円 |
この表からもわかるように、エアコンは温度を急激に上げようとすると一気に電気代が跳ね上がるのです。
「温度を3度上げる」と「風量を強くする」、どちらが得?
環境省によると、エアコンの暖房の設定温度を1度下げると、消費電力量を約10%削減できるとされています。つまり、3度上げると約30%電力を余計に使うことになります。
例えば、先ほどのエアコンで標準運転時(0.44kW)の場合、30%増えると0.572kWになり、1時間あたりの電気代は約17.7円。標準時よりも毎時間4円ほど高くなる計算です。
一方で、風量を上げても消費電力はほとんど変わりません。なぜなら、風量を強くすることで暖かい空気を部屋全体に素早く循環させられるため、エアコンの「最大出力運転」を抑えられるからです。
つまり、温度を上げると電気代が跳ね上がるが、風量を強めるだけなら消費電力の増加はごくわずか。効率よく部屋を暖めたいなら、風量を強くするのが正解なのです。
エアコンの暖房を効率よく使う節電テクニック
① 風量は「自動」または「強」に設定する
エアコンの風量を「弱」にすると、一見省エネに思えますが、実は暖かい空気が循環しづらくなるため、エアコンが無駄に稼働してしまいます。風量は「自動」または「強」に設定するのがベストです。
② サーキュレーターや扇風機を活用する
暖かい空気は天井付近にたまりやすいため、サーキュレーターや扇風機を使って空気を攪拌(かくはん)すると暖房効果が向上します。特に、エアコンと対角線上の床付近に設置すると、効率よく温かい空気を循環できます。
③ 短時間の外出ならエアコンは消さない
エアコンは設定温度まで上げるときに最も電力を消費します。
外出が1時間程度ならこまめにオンオフせず、つけっぱなしにしておく方が節電になることが多いです。
④ フィルターをこまめに掃除する
フィルターが詰まると空気の流れが悪くなり、エアコンの効率が落ちます。2週間に1回を目安にフィルターを掃除すると、電気代の節約につながります。
⑤ 室外機の周りを整理する
室外機の周囲に障害物があると、熱交換がうまくいかずエアコンの効率が落ちてしまいます。
周りに物を置かないようにし、雪や落ち葉などが積もらないように注意しましょう。
結論:「温度を上げる」より「風量を強くする」が節電のカギ!
エアコンの暖房は、設定温度を上げると消費電力が急激に増え、電気代がかさみます。
しかし、風量を強くするだけなら電力消費はほとんど増えず、効率的に部屋を暖めることが可能です。
また、サーキュレーターの活用や、フィルター掃除、適切なオンオフ管理など、ちょっとした工夫をするだけで、さらに電気代を抑えられます。
今年の冬は、「温度を上げる」より「風量を上げる」を意識して、快適&節約の両立を目指しましょう!